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捨てコンの目的とは?コンクリート配合の基礎知識と捨てコンに適した強度&配合

更新:2022-05-13

捨てコンの目的とは?コンクリート配合の基礎知識と捨てコンに適した強度&配合

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捨てコンとは、建物を建てる前の地盤に流し込むコンクリートのことです。建設の下地となる捨てコンには、建物を建てるうえでさまざまなメリットがあります。

今回は、捨てコンの概要と目的、生コンクリートの配合、捨てコンに適したコンクリート配合と強度について解説します。

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■捨てコンの概要と目的

捨てコンの基礎知識を踏まえ、捨てコンを行なう目的を見ていきましょう。

 

◇捨てコンの基礎知識

捨てコンとは「捨てコンクリート」の略称で、基礎下の地盤やスラブ下、地中梁の下に流し込むコンクリートを差します。捨てコンの厚みは、5cm程度が一般的です。

捨てコンは鉄筋を配筋する必要がないため、無筋コンクリートとも呼ばれます。鉄筋がないことでひび割れが生じやすくなりますが、捨てコンは基礎工事前に行なうため、ひび割れても影響はありません。捨てコンは強度を求めるものではないため、「捨て」という言葉には、捨て身や犠牲になるという意味合いがあるとされています。

なお、捨てコンはすべての工事で行なうわけでなく、土地の状態によっては使用しない場合もあります。

 

◇捨てコンの目的

捨てコンを行なう目的としては、以下が挙げられます。

 

・墨出し

基礎工事の前に行なう捨てコンは、基礎の位置を示す、墨出しの下地として役立ちます。

1階から2階の順で垂直方向にまっすぐ建物を建てる場合、墨出しの目印が不可欠です。捨てコンの上に墨出しすれば簡単には消えないため、正確な位置に墨出しできます。

また、作業箇所が平滑化するため、作業が効率化することもメリットでしょう。地面が平滑化することで、基礎の配筋に必要なスペーサーも配置できます。

 

・高さの基準

基礎工事に際し、穴を掘ってコンクリートを流し込む必要があります。穴を掘ると高さがわからなくなるため、捨てコンで「高さ0mm」の基準を作るのです。

捨てコンは建物の強度とは無関係ですが、捨てコンの高さが変わると、建物の高さにも影響します。捨てコンの高さにズレが生じると修正が難しくなるため、工事の際は高さの精度に注意しなければなりません。

 

・型枠や配筋の下地

捨てコンの上に正確な位置を墨出ししたのち、型枠や配筋を組むことがあります。捨てコンで水平な下地が作られるため、型枠や鉄筋を正確に設置することが可能です。さらに、型枠を支える土台として、捨てコンが活用されるケースもあります。

 

■捨てコンに適した強度と配合

捨てコンに使用する、生コンクリートの強度と配合について解説します。

 

◇捨てコンに強度は必要?

先に述べたように、捨てコンは配筋が不要のため強度は必要ありません。捨てコンに使用するコンクリートの強度は、設計基準強度の下限値である18kN/mm2以上で十分とされています。通常のコンクリートの強度は24kN/mm2のため、半分くらいの強度で問題ありません。

 

◇生コンクリートの配合とは?

一般的なコンクリートは砂利と砂、セメントで作られますが、生コンの配合はそれと異なります。生コンクリートの配合では、呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法を指定する必要があり、場合によっては水セメント比も指定する場合があります。

呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法・水セメント比の概要は、次のとおりです。

 

・呼び強度

呼び強度とは、硬化したコンクリートの外力に対する強度のことです。コンクリートは圧縮の力に強い反面、引っ張る・曲げるという力に弱い性質があります。呼び強度を指定することで、外力に強いコンクリートが使えます。

なお、正確な呼び強度は、28日後に予定される圧縮強度であり、単位はニュートン(N)を使用します。

 

・スランプ

スランプとは、生コンクリートの硬さのことです。スランプの数字が大きいほど柔らかく、扱いやすいコンクリートになります。柔らかいコンクリートは作業効率が良いメリットがある反面、セメント量が増え、コストが高くなるので注意が必要です。

 

・粗骨材の最大寸法

粗骨材の最大寸法とは、砂利(砕石)の最大寸法のことです。粗骨材が大きいほど、コンクリートの強度と耐久性が高くなります。ただし、粗骨材が大きいコンクリートは鉄筋の隙間を通れないため、ダムや山のコンクリート壁などに用いられます。

 

・水セメント比

水セメント比とは、セメントに対する水の割合であり、水が少ないとコンクリートの強度が高くなります。耐久性が必要な、水に接する構造物の水セメント比は、60%以下や55%以下になることが一般的です。なお、一般住宅で使用する場合、水セメント比を指定しない場合もあります。

 

このように、配合の割合により生コンクリートの硬さや強度、耐久性が変わるため、用途や構造物に合わせた最適な配合で発注する必要があります。

 

◇捨てコンの発注の際に最適な配合とは?

捨てコンは強度が不要なことから、貧配合のコンクリートが使用されます。貧配合とは、セメント量が少ないコンクリートの配合のことです。

捨てコンに適した生コンの配合は、平地:18―15-20-N・斜面:18-8-20-N、水セメント比はそれぞれ72%とされています。一方、一般住宅の基礎は24-15-20-N、水セメント比は62.5%です。

配合の表示は、「呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法・セメントの種類」の順になっています。捨てコンと一般住宅の基礎を比較すると、呼び強度の数字が小さく、水セメント比が高いことがわかります。つまり、捨てコンには強度が弱いものが使われているのです。

なお、生コンクリートと比べて安価な「流動化処理土」を、捨てコンに用いるケースも増えています。流動化処理土とは、発生土や泥水にセメント、固化剤などを調合したコンクリートの代用品のことです。

 

■まとめ

捨てコンとは、基礎工事の前に流し込むコンクリートのことです。捨てコンには正確な位置の墨出しや、高さの基準決め、型枠・配筋の下地の固定などの目的があります。特に、高さの基準は完成後の建物に影響するため、高さ0mmの精度を保つことが重要です。

なお、捨てコンには強度が求められないため、一般のコンクリートの半分程度の強度で問題ありません。

生コンクリートを発注する際は、呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法・水セメント比を指定します。捨てコンは、住宅の基礎よりも呼び強度が小さく、水セメント比が高いものを使用するのが一般的です。それぞれの比率でコンクリートの強度や硬さが異なるため、用途に合った配合を指定しましょう。

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この記事を書いた人

ベスキャリ建設 編集部

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