建設業界で働いていた人が施工管理職へ転向したいと考えることや、未経験の人が建設業界への将来性を感じて、施工管理職への転職を検討することが増えています。施工管理職へ転向を考えている人や、有資格者が他企業で施工管理者としてキャリアアップをもくろんでいる人のための転職方法などをまとめました。
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■施工管理職に就くための転職理由
建設業界を熟知している人の中には、下記の内容から施工管理職への転向を試みる人が増えています。なぜ「施工管理」へ転職を検討しているのか、その理由を紹介いたします。
◇給与が低い、給与カットされた
下請けの仕事が中心となる小さな工務店などでは、給与相場が大手と比べると低い傾向にあります。年齢の割に給与がもらえていないという人や、会社の業績が悪化し給与や賞与がカットされてしまったという場合に、他企業における施工管理の仕事へ転向を目指すことがあるようです。有資格者はもちろんのこと、施工管理職として実務経験を持っている人の多くが検討する傾向にあります。
◇人間関係で悩んでいる
建設業はもちろん、施工管理の世界に限定した問題ではありませんが、人間関係がネックとなり転職を検討することもあるようです。仕事がすくないから会社自体がギスギスしているという場合もあるでしょう。また会社風土自体が年功序列社会のため、年長者ファーストになりがちな場合もあります。これによって自分の仕事がやりにくくなったということも考えられます。
◇社風が合わない、評価されにくい環境にある
建設業界の中には、年功序列社会といった昔ながらの風土が根強く残っている場合があります。どんなに高学歴で入社し、資格を持っていたとしても「年功序列」という壁が立ちはばかってしまい、定年間際になっても昇任できないということもあるようです。また、一般職や事務職と違い、総合職の立場になると、残業や早出といった部分を含め、現場での自分の仕事が評価されにくいという現状も見え隠れしています。
■施工管理職に転職するには
施工管理職に転職を検討する場合は、自分の条件と合致する企業を見つける必要があります。効率よく転職を成功させるためのポイントをまとめました。
◇転職サイトを利用しよう
施工管理職は業界でも引く手あまたとはいわれていますが、なかなか自分の条件に合致した建設業に出会うことは難しいとされています。またピンポイントの業種となるため、ハローワークで見つけることはもちろん、自分の足で探すこともままならないはずです。
こんな時に利用してほしいのが、建設業界に特化した転職サイトです。全国の建設業の求人を募集業種別にチェックできるので、施工管理職の求人をタイムリーに探すことが可能です。複数の建設業の比較検討もしやすいため、転職を収入アップの足掛かりにしたいと思う人は、転職サイトを利用することが最善といえます。
◇施工管理に転職する際に会社を選ぶポイント
転職の一番のポイントは「年収アップ・地位向上」です。これを目指すことが転職のハイライトとなります。施工管理職として転職を検討している場合、転職先の会社選びが重要なポイントとなります。施工管理職として転職を試みる場合は、給与待遇や休日といった福利厚生面を重視しましょう。また、口コミサイトなどを利用して会社風土を把握することもよいでしょう。できれば最低一度はその建設業へ足を運び、実際に会社の雰囲気を把握することも一案です。
■1・2級建築施工管理技士の合格率
1級・2級ともに実地試験受験者は実務経験保有者に限られます。また、過去に学科試験に合格した人も受験しているため、学科試験の合格者数と実地試験の受験者数は一致しません。
合格率を切り取ってみると、学科に関しては40%以上の合格率が見込まれます。実地に関しては30%~40%程度。総合的にみると合格率は高いとはいえませんが、専門的な知識や技術を有していれば合格は見込める試験ととらえて差し支えないでしょう。なお、学科試験の合格ラインは正答率60%以上とされています。合格率も変動は見られますが、ほぼ平均的な数字です。合格を目指すなら、過去の試験問題の解き直しを繰り返すことで力をつけていくとよいでしょう。
最新の平成30年度の建築施工管理技士の合格率 を見ると、1級は学科合格者が36.6%、実地合格者が37.1%です。実地合格者が事実上の建築施工管理技士の合格者となります。2級は、学科合格者が25.9%、実地合格者が25.2%です。過去に行われた試験の合格率と比較 しても、平均的な合格率といえるでしょう。
■施工管理職の働き方
施工管理の業務の柱は、「品質管理」「原価管理」「安全管理」「工程管理」が主となります。この四つの柱は建設業界では四大管理といわれます。一日の業務の流れの中では、施工業者選定・施工スタッフの確保、図面チェックや予算管理といったデスクワークや、現場業務などが織り込まれます。
「現場監督」の業務も施工管理技士が担う業務ですが、大規模工事に設置が義務付けられている「監理技術者」になるには、1級国家資格や元請業者での監理業務の経験が必要です。
建設現場の規模によって、全体の管理が複雑化する傾向にあります。ヒューマンエラーを防ぐとともに、スケジュール通りに工期を終えるために、施工管理者複数名で仕事を分割することが通例となっています。納期を厳守することが重要な建設業界では、施工管理技士の仕事が現場を大きく左右するといっても過言ではありません。こういったところで、施工管理技術者の働き方が問われる場合があります。
◇施工管理職の一日の流れ
【朝】
朝は工事現場や会社事務所など仕事内容によって通勤場所が変わります。施工管理業務を行う場合、作業員の出勤時刻より早めに到着して、事業前の安全管理点検などを行います。朝礼では、1日の工程や危険予知などの確認を行います。
【午前中・午後】
現場にいる場合は、進捗の確認や安全点検業務に従事します。工期遅れなどの対応も行います。デスクワークの場合は、図面チェックや積算業務などこれからの工期にかかるスケジュール作成や、建機・作業員の確保などの業務に従事します。また、打ち合わせの業務なども、この時間帯に行います。
【午後~夕刻】
日没前には、1日の仕事を終えます。冬季でも16時~17時ころまでには終業となります。作業員と終礼を行い、一日仕事の進捗や明日の作業確認を行います。作業員の退勤後は終業後の安全確認や工事現場のクローズ作業を行います。その後は現場作業報告書を作成するほか、打ち合わせや会議資料の作成などを行います。8時間の就労時間内で済ませることが一般的ですが、トラブル対応などが入れば残業を伴うことも否めません。
■施工管理職のキャリアアップ
施工管理職は単純に建設工事の全体指揮を執るだけの仕事ではありません。1級施工管理技士を取得すれば、取得業種の監理技術者や専任技術者への道が開けます。特定建設業として国交省や自治体から認可を受けている大手ゼネコンでは必須の国家資格ですし、中小の建設業では、営業所開設の際の拠点長になれる可能性が広がります。
転職の場合だと即戦力としてみなされるため、監理技術者の講習修了証を持っていれば、身近な工事を任されることが多くあります。また、新規拠点開設をもくろんでいる企業に転職を決めた場合、専任技術者として届け出をしたうえで拠点長として抜擢される可能性もあるのです。これは大きなキャリアアップといえるでしょう。
資格を持っていなくても、実務経験があれば受験資格を得られます。資格取得を視野に入れることで将来的なキャリアアップがついてきます。
■まとめ
転職を目指す人に向けて、転職のポイントや施工管理職の働き方などを中心に実情をまとめてまいりました。施工管理職を対象とした転職市場は引く手あまたの状況であり、中でも有資格者や実務経験保有者は優遇される傾向にあります。転職と同時にキャリアアップもかなうケースもありますので、現在の仕事に迷いが生じたら転職を検討してみることもよいでしょう。
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