災害復興工事や2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設ラッシュが続く日本。主要都市などで行われている再開発事業なども相まって、建設業界は勢いを増すばかりです。
その工事をスムーズに進める業務を担う施工管理職の立場にある人は、工期や天候、人員確保などさまざまな面で奔走せざるを得ず「激務」といわれることもあるようです。
施工管理の仕事は、どういったところが大変なのでしょうか。少しでも良い環境で働くことを模索したときにおすすめできる職場はあるのでしょうか。
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■評判が芳しくない施工管理の仕事、その理由とは
施工管理の仕事は「忙しい仕事」や「激務」といわれることがあります。一人でも多く施工管理技術者を確保したい建設業界ですが、なかなか人員確保につながらないことも。その理由についてまとめました。
◇関わる人がとにかく多く、まとめるのが大変
施工管理担当者は、その工事の司令塔といった役割があります。この工事を円滑に進めるために、とにかく多方面においていろいろな人と関わる必要があります。
・発注者との打ち合わせ
・会社の上司や経理部門との打ち合わせ
・同じプロジェクトを担う施工管理担当者との打ち合わせ
・資材メーカー・重機レンタル会社などとの打ち合わせ
・下請会社への依頼や発注に伴う打ち合わせ
・現場作業員への連絡や指示
・近隣住民との話し合い
これらの打ち合わせ結果をもとに行うべきプロセスがあるので、施工管理担当者同士のチームワークが求められます。特に、監理技術者や施工管理技士の有資格者は、常に誰かと打ち合わせをしているということもあるようです。
◇作業範囲が多岐にわたり、休日が取りにくい傾向がある
施工管理の仕事は「四大管理(工程・原価・品質・安全)」とはいわれますが、その管理項目を全うするためには、たくさんのプロセスが求められます。大まかな工程の策定から、週・日単位でのスケジュール提示という仕事は、直前にならないと割り出せないところもあります。また重機の確保などは、前日まで調整が入ることもあるようです。
また、現場内でのトラブル対応や近隣住民からのクレーム処理などは、休日や時間外に行うこともあるようです。
このほか工場のラインが停止する休日や夜間にしか作業できない工事などが発生すると、それに帯同する必要が生じます。代休などを取得することはできるけれど、人が回らずなかなか休めないという声もみられます。
■施工管理として評判の良い環境で働く方法
施工管理技術者は、どの建設会社からも引く手あまたの状態です。そのため各建設会社とも良い待遇を掲げた求人を出す傾向にあります。中でも「評判が良い」とされる業務環境で働く方法はあるのでしょうか。
◇大手ゼネコンへの就職・転職
名だたる大企業で働くことで、年収UPが期待できます。特に大卒以上・1級施工管理技士・専任技術者や監理技術者の実務経験があれば、優遇されます。
国を挙げて「働き方改革」を推進していることもあり、大手企業になるほど待遇改善に積極的です。
施工管理の仕事も複数名でグループを作ることが多く、システム化された業務が多いため、働きやすさは確保されていると考えられます。ただし、転職前よりも仕事が忙しくなったということもあるかもしれません。転勤や長期出張の可能性も秘めていることも念頭に置きましょう。
◇公務員(技術職)として働く
国交省・防衛省・地方公共団体などで働く技術職公務員の仕事があります。これは、国や地方公共団体といった官公庁が発注する公共工事のアウトラインを作る仕事です。
ゼネコンや工務店などが「受注者」であることに対し、技術職公務員の立場になると「発注者」としての業務に携わることができます。
ゼネコンなどでは、企業として利潤を追求する施工管理業務を求められますが、公務員が行う公共工事のアウトライン作りは国民の暮らしやすさを追求することをメインとします。
自分の知識をもとに今の建設事情を新規公共事業へ取り込むことができるので、やりがいを感じることもできるでしょう。場合によっては、民間企業での勤務経験者を対象とした募集枠を設けている自治体もあるので、転職希望者も道が開けます。
ただし、技術職公務員は募集が明らかに少ない現実もあります。また、生年月日や最終学歴、保有資格によっては受験資格を満たせない場合があるため、すべての人が公務員になれるとは限りません。
■ネガティブなことばかりじゃない!施工管理という仕事のメリット・やりがい
これまで、施工管理業務は多忙で休めないというような内容をお伝えしてまいりましたが、もちろんメリットややりがいが先行しています。働きに応じたリターンがあるからこそ施工管理職がやめられないという人もいます。
◇大手ゼネコンの施工管理になれば年収1,000万も夢ではない
工業系大卒以上・国家資格保有者・技術系総合職・勤続年数などの条件がそろえば、収入もそれなりにアップします。特に全国的に知られる大手ゼネコンで施工管理職をしている人の中には年収1,000万円を超える人もみられます。一般的な施工管理職の平均年収は400万円前後といわれている中での1,000万円超えは仕事のやりがいにつながることでしょう。
転職などで中途採用に至った方でも、実績や実務経験が認められれば、それに近い給与がもらえる可能性もあります。
◇手掛けた建築が後世に名を残すといっても過言ではない!
建設会社が手掛ける仕事は、一般住宅などのほか、コンベンションホールやマンション、橋梁や鉄道、道路など「建設物」であればすべてが当てはまります。施工管理職は「後世に名を残す仕事」の一端を担っているのです。
また、建物によっては建設会社の名称が刻まれるほか、定礎設置の際に埋蔵した「定礎箱 」の中に建設会社の名称だけでなく、建設に関わった人の氏名が残されることもあるため、自分が関わった建設物とともに名前が残る可能性もあります。また、ランドマークとしてメディアで取り上げられることだってあるでしょう。
建設物は長い間その土地に残ります。この建設物が建立された経緯がのちに教科書に掲載される可能性もあるかもしれません。そう思うと、モチベーションの持ち方も変わってくるのではないでしょうか。
■まとめ
激務・時間外勤務が多い・長期出張が多いなどといわれる施工管理の業務ですが、そのスキルを持っているからこそできる仕事です。なかなか休めない現状もありますが、転職などを試みることで解消されることもあるかもしれません。ただし、メリットやデメリットもあるので自分の働き方について熟考しながら決めていきましょう。
大変な毎日の中でも、施工管理職には収入や手掛ける建設物によって大きなリターンが得られます。自分が手掛けた仕事が後世に伝えられる可能性もあります。だから、施工管理職はやめられないという人もいるのです。
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