1級建築施工管理技士とは?資格を取得するメリットと試験情報を全解説!

2022-09-08

  • 転職・キャリアアップ

1級建築施工管理技士は、建築施工管理の高い技術力を証明できる資格です。取得すると、有資格者本人だけでなく、雇用する企業側にもメリットがあります。1級建築施工管理技士は国家試験のため、所定の受検資格を満たしたうえで試験を受検する必要があります。今回は、1級建築施工管理技士の概要を踏まえ、資格を取得するメリット、試験情報について解説します。

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■1級建築施工管理技士とは?

建築施工管理技士とは、建設業法で定める施工管理技士資格のひとつです。1級建築施工管理技士資格は建築施工管理のプロフェッショナルと認められる、最も重要な位置付けの資格といえるでしょう。

1級建築施工管理技士の仕事内容は、建築工事の施工計画、工程、品質、安全などの管理を行います。

施工計画とは、予算どおりに工事を進めるため、工程や各工事の作業工程を組み合わせ、具体的な工法を決定します。また、資財の使い方や予算管理、資材の発注、廃棄物の処理方法も、施工計画の仕事です。

工程管理は工程表を作成し、人員や機材、スケジュールの調整を行います。施工の進捗状況を常に把握し、進捗の遅れがある場合は対策を講じる必要があります。

品質管理は、仕様書や設計図書で定める品質を満たしているか確認する業務です。施工中の写真撮影で記録を残したり、所定の検査で品質をチェックしたりします。

安全管理は事故なく工事を完遂できるよう、安全教育や作業環境の整備、作業員の健康チェックなどの取り組みを実施します。

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■1級建築施工管理技士を取得するメリット

1級建築施工管理技士を取得することにより、以下のメリットが得られます。

 

◇建設現場に配置する技術者を確保できる

1級建築施工管理技士を取得すると、監理技術者、主任技術者、専任技術者と認められます。

監理技術者とは、元請負が締結した下請契約の請負代金が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の工事に専任で配置する技術者のことです。

監理技術者は大規模な現場に携わるうえに、下請負人に対しても指導監督する必要があります。そのため、1級建築施工管理技士の高い技術力が要求されます。

一方、主任技術者は監理技術者を必要としない規模の工事で、元請、下請を問わず配置する技術者のことです。2級建築施工管理技士は主任技術者にとどまり、1級建築施工管理技士は監理技術者と主任技術者の両方を務めることができます。

専任技術者とは、建設業の許可を得た事業所ごとに配置する技術者であり、工事契約の適正な締結、履行の確保に携わります。

 

◇経営事項審査で技術力の評価が得られる

経営事項審査とは、公共工事の競争入札に参加する業者に対し、経営能力などを客観的に評価する審査のことです。

施工管理技士資格の有資格者は、技術力評価で加点対象になります。1級建築施工管理技士の場合、有資格者1人につき、5点の加点です。

さらに、監理技術者講習を受講し、監理技術者資格者証の交付を受けると、1点上乗せで合計6点が加点されます。1級建築施工管理技士が多いほど経営規模評価が高まるため、公共工事を受注したい企業にとって雇用したい貴重な存在です。

 

◇1級建築施工管理技士で年収アップが期待できる

1級建築施工管理技士は大規模な現場の監理技術者になれるため、主任技術者と比べて年収アップが期待できます。施工管理の給与は、上位資格の取得、企業や現場の規模の大きさ、役職によって決まる傾向があるためです。主任技術者にしかなれない2級建築施工管理技士よりも上位の資格であるため、1級建築施工管理技士の年収は必然的に高くなります。

また、経験と実績を積むことで、待遇の良い企業に転職もしやすくなるでしょう。1級建築施工管理技士は建設業界で重宝される資格のため、大手ゼネコン、サブコン、ハウスメーカー、営業職、公務員などへの転職も期待できます。

 

■1級建築施工管理技士の試験情報

1級建築施工管理技士試験の仕組み、試験内容、合格率について見ていきましょう。

 

◇1級建築施工管理技士試験の仕組み

1級建築施工管理技士試験では、マークシート式の第一次検定、記述式を含む第二次検定を受検します。第一次検定に合格すると、建築施工管理技士補の資格が得られます。

1級建築施工管理技士補を取得すると、監理技術者の補佐が務められ、かつ第一次検定の合格は無期限で有効です。第二次検定の受検は実務経験年数が必要になるため、補佐を務めながら経験を積み、第二次検定を受検するとよいでしょう。

 

◇1級建築施工管理技士の受検資格

1級建築施工管理技士の第一次検定、第二次検定の受検資格は次のとおりです。

1級建築施工管理技士の受検資格

区分

学歴

実務経験年数

指定学科卒業

指定学科以外卒業

大学卒業者

専門学校卒業者(「高度専門士」に限る)

卒業後3年以上

卒業後4年6カ月以上

短期大学卒業者

高等専門学校卒業者

専門学校卒業者(「専門士」に限る)

卒業後5年以上

卒業後7年6カ月以上

高等学校・中等教育学校卒業者

専修学校の専門課程卒業者

卒業後10年以上

卒業後11年6カ月以上

その他の者

15年以上

二級建築士試験合格者

合格後5年以上

2級建築施工管理技術検定

第二次検定合格者

合格後5年以上

2級建築施工管理技術検定第二次検定合格後、実務経験が5年未満の者

短期大学

高等専門学校(5年制)

専門学校の専門士

上記イの区分参照

卒業後9年以上

高等学校

中高一貫校

専門学校の専門課程

卒業後9年以上

卒業後10年6カ月以上

その他(学歴不問)

14年以上

2級建築施工管理技術検定第二次検定合格者(※第一次検定のみ受検可能)

実務経験年数問わず

※上記のすべてにおいて、【1年以上の指導監督的実務経験を含むことが必要】

 

1級建築施工管理技士:第二次検定の受検資格

1

建築士法による一級建築士試験合格者で、上記の区分イ~ハのいずれかの受検資格を有する者

2

1級建築施工管理技術検定第一次検定合格者のうち、上記の区分イ~ハのいずれかの受検資格で受検した者

3

1級建築施工管理技術検定第一次検定合格者のうち、上記の区分ニの受検資格で受検した者で、上記の区分イ~ハのいずれかの受検資格を有する者

4

 本年度第一次検定の合格者【上記の区分イ~ハの受検資格で受検した者に限る】

出典:一般財団法人 建築業振興基金

 

◇1級建築施工管理技士の試験内容

1級建築施工管理技士の第一次検定、第二次検定の試験内容は次のとおりです。

1級建築施工管理技士の試験内容

区分

検定科目

検定基準

知識/

能力

解答

形式

建築

工学等

1 .建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する一般的な知識を有すること。

2 .建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書に関する一般的な知識を有すること。

知識

四肢

一択

施工

管理法

1 .監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。

知識

四肢

一択

2 .監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。

能力

五肢

二択

法規

建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的な知識を有すること。

知識

四肢

一択

施工

管理法

1 .監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。

知識

五肢

一択

2 監理技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる応用能力を有すること

3 .監理技術者として、設計図書に基づいて工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工計画を実施することができる応用能力を有すること。

能力

記述

出典:一般財団法人 建築業振興基金

なお、第一次検定試験の合格基準は、全体の得点が60%以上、かつ施工管理法(応用能力)の得点が60%以上です。第二次検定も同様に、60%以上の得点が必要です。

ただし、試験の実施状況を考慮し、合格基準が変更される場合もあります。

 

◇1級建築施工管理技士試験の合格率

令和元年~令和4年に実施された、1級建築施工管理技士試験の第一次検定、第二次検定の合格率は次のとおりです。

1級建築施工管理技士試験の合格率

年度

第一次検定(旧学科試験

第二次検定(旧実地試験

令和元年

42.7%

46.5%

令和2年

51.1%

40.7%

令和3年

36.0%

52.4%

令和4年

46.8%

出典:国土交通省

 

■まとめ

1級建築施工管理技士は、監理技術者や主任技術者などの技術者になれる、建築施工管理の上位資格です。1級建築施工管理技士は工程や品質などの管理業務に加え、施工計画にも携わります。1級建築施工管理技士を雇用すると経営事項審査の評価が高くなるため、企業にとって貴重な存在になれるでしょう。また、監理技術者は高度な技術を要するため、年収アップや待遇の良い企業への転職も可能です。

1級建築施工管理技士は、第一次検定に合格すると施工管理技士補の資格が与えられます。監理技術者の補佐を勤めることが可能で、経験を積んでから第二次検定を受検できます。試験の合格率は40%前後とそこまで難易度が高いものではないため、建築施工管理に携わる方は早めの受検がおすすめです。

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