建設業の派遣社員から正社員になるには?建設業と労働者派遣の関係性

2022-01-13

  • 業界あれこれ

建設現場で行なう業務では労働者派遣が禁止されており、事務員や施工管理など一部の業務に限られます。建設現場で派遣社員が働けないのは、建設業ならではの事情が関係しています。派遣社員は残業が少ないなどのメリットがある反面、雇用が安定しにくいため、あらためて正社員になりたい方もいるでしょう。今回は、派遣できない建設業の業務、派遣が可能な業務を踏まえ、派遣社員から正社員になるためのポイントについて解説します。

 

■建設業と労働者派遣の関係性

建設業で労働者派遣が禁止される理由、派遣禁止の業務、派遣社員が働ける業種について見ていきましょう。

 

◇建設現場の業務は派遣禁止

建築・土木の建設現場で行なう作業に労働者を派遣することは、労働者派遣法で禁止されています。

建設業は複数の企業が共同で1つの建物を完成させる、重層的な下請関係で成り立っています。派遣労働者は派遣元で雇用され、派遣先企業の指揮命令下で働くというものです。つまり、派遣社員自体がすでに重層的な雇用であり、建設現場に派遣した場合、誰の指揮命令下で働くかが曖昧になるのです。

建設業では、労働者と使用者の雇用関係を明確にすることを優先します。建設業は危険な作業が多いため、指揮系統が曖昧になると労働災害を招くおそれがあります。労働者自身が責任をもって働くことで労働災害を防ぎ、それが建設業界全体を守ることにつながると考えるのです。

また、建設現場は固定ではなく、発注があった現場を転々とします。さらに工期も現場によりまちまちで、天候や季節の影響も受けます。建設業自体の雇用が不安定であり、労働力の需要が予測しにくいことも、労働者派遣を禁止する理由です。

 

◇派遣で働けない建設業務

派遣禁止となっている建設現場の業務内容は、以下のような事例が挙げられます。

 

1.    ビル・家屋等の建築現場にて、資材の運搬・組み立て等を行なう。
2.    道路・河川・橋・鉄道・港湾・空港等の開設・修築などの工事現場で掘削・埋め立て・資材の運搬・組み立て等を行なう(1・2ともに施行計画の作成や、工程管理・品質管理などは含まない)。
3.    建築・土木工事において、コンクリートを合成したり、建材を加工したりする。建築・土木工事現場※での準備作業全般を含む。
4.    建築・土木工事現場内で資材・機材を配送する(現場外からの資材の搬入は含まない)。
5.    壁や天井・床の塗装や補修をする。
6.    建具類等を壁や天井・床に固定する、あるいは撤去する。
7.    外壁に電飾版や看板などを設置する、あるいは撤去する。
8.    建築・土木工事現場内において、配電・配管工事をしたり機器の設置をしたりする。
9.    建築・土木工事後の現場の整理・清掃(内装仕上げ)をする。
10.    イベントなどを行なう大型仮設テントや大型仮設舞台の設置をする(簡易テントの設営、パーティションの設置などは含まない。また、椅子の搬入や舞台装置・大道具・小道具の設置等も含まない)。
11.    仮設住宅(プレハブ住宅等)の組み立てを行なう。
12.    建造物や家屋を解体する。

出典:一般社団法人 日本人材派遣協会

https://www.jassa.or.jp/corporation/tekiyoujyogai/03.html

 

このように、建設現場の施工業務に加え、資材などの運搬、建物の補修や解体、各設備の設置など、幅広い業務で労働者派遣が禁止されています。

 

◇派遣が可能な建設業の業務

先に述べたように、建設現場に関するほとんどの業務で労働者派遣が禁止されています。建設業で労働者派遣が認められるのは、建設現場での業務に携わらない以下の3業種に限られます。

 

 ・現場事務所の事務員

現場事務所の事務員は派遣社員でも働けます。建設現場の敷地内にある現場事務所であっても、施工に携わらないため労働者派遣が可能です。

 

・CADオペレーター

CADオペレーターとは、設計士が手書きした図面をCADソフトで製図する業務のことです。CADオペレーターも事務員と同様に、施工業務に携わらないため派遣社員として働くことが可能です。

 

・施工管理

施工管理とは、建設現場の工程や安全、原価、品質など、全体を管理する業務のことです。施工管理は建設現場と事務所で業務を行ないますが、基本的に施工には携わらず、現場の指揮監督を務めます。そのため、派遣社員として働くことが可能です。

ただし、空き時間などに、資材置き場などの片付けや整理することは、労働者派遣法違反となるので注意が必要です。

 

■建設業の派遣社員から正社員になる方法

CADオペレーターや施工管理として派遣社員で働くうえで、正社員とは異なるメリット・デメリットがあります。そこで、派遣社員として働きながら、正社員になるための方法について解説します。

 

◇派遣で経験を積んで正社員に応募する

CADオペレーター、施工管理は技術と経験が求められるため、派遣会社で経験を積んでから正社員を目指すといいでしょう。派遣先企業で正社員登用制度を実施している場合、高度なスキルが評価されると、派遣先から正社員の打診を受けることも珍しくありません。

なお、施工管理の派遣社員は残業が少なく、正社員よりもワークライフバランスが整いやすいといったメリットがあります。しかし、雇用期間や福利厚生など、建設会社の正社員の方が安定しているのも事実です。施工管理の正社員としてキャリアアップするため、派遣で経験を積み、大手建設会社の転職を目指すことも選択肢のひとつでしょう。

一方、派遣社員のCADオペレーターの場合、CADの知識とスキルをもつ即戦力として、大手ゼネコンなどに転職することも夢ではありません。技術力が認められると、正社員でありながら在宅勤務できるケースもあります。福利厚生は正社員の方が充実しているため、派遣社員として地道に経験を積み、さらに必要に応じてCADの資格も取得するといいでしょう。

 

◇紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、所定の契約期間後、正社員や契約社員として直接雇用することを前提とした派遣です。派遣期間中は「試用期間」という意味合いがあり、期間は最大6ヵ月と定められています。

紹介予定派遣のメリットは、直接雇用の道が開けるだけはありません。派遣期間中に会社内や人間関係の雰囲気がわかるため、入社後のミスマッチを防ぐことが可能です。紹介予定派遣は、CADオペレーター、施工管理で多くの求人があるため、通常の派遣から切り替えてもいいでしょう。

ただし、契約期間後に「必ず直接雇用される」とは限りません。派遣先企業、派遣労働者ともに直接雇用を断れることを心得ておきましょう。

 

◇技術者派遣(正社員型派遣)

技術者派遣とは、派遣会社と正社員または契約社員で雇用契約を結び、派遣先企業に派遣される働き方のことです。

技術者派遣には常用型、登録型という2つの種類があります。常用型派遣とは、先に述べたとおり、派遣会社の正社員・契約社員として派遣先企業で働くものです。派遣社員のため、派遣先との契約期間満了後も派遣会社から報酬が支払われます。

一方、登録型派遣は、派遣会社と直接雇用を結ばず、個人として登録するものです。派遣先で働く期間のみ、派遣会社と雇用関係を結びます。常用型派遣と異なり、契約期間が満了すると、次の派遣先が見つかるまで報酬は支払われません。

常用型の技術者派遣はエンジニアに多い働き方で、近年では施工管理でも技術者派遣の求人が増えています。派遣会社に直接雇用されるため、常用型派遣よりも収入、雇用が安定しているのが大きなメリットでしょう。また、派遣される案件は大手企業や優良企業のことが多く、実績を残せば正社員で誘われる可能性もあります。

ただし、技術者派遣は、一般的な派遣のように希望の派遣先を選べない、長期間の勤務が保証されないといったデメリットもあります。

 

■派遣社員から正社員を目指すときの注意点

派遣社員と正社員は働き方がまったく異なります。そのため、派遣社員から正社員になる際、以下の点を注意しましょう。

 

◇自分が求める働き方を見極める

派遣社員は時給制で収入が安定しにくい反面、残業が少ない、残業代がきちんと支給される、派遣先で希望の条件を提示できるといったメリットがあります。一方、正社員は収入や福利厚生、雇用が安定している反面、長時間労働や休日出勤、サービス残業などデメリットも存在します。

両者のメリット・デメリットを考慮し、どの働き方が自分に合っているか考えてから派遣社員、正社員を選ぶことが大切です。例えば、ワークライフバランス重視であれば派遣社員、安定を一番に求めるなら正社員など、譲れないポイントを中心に考えるといいでしょう。

 

◇知識、経験をしっかり積む

派遣社員、正社員を問わず、転職する際は専門的な知識とスキルが必要です。特に専門的知識が必要なCADオペレーター、施工管理は、派遣社員で地道に経験を積みましょう。

知識やスキルが不足している場合は、仕事に役立つ資格を取得する努力が必要です。CADオペレーターの場合はCADソフトの資格、施工管理は国家資格である施工管理技士を取得するといいでしょう。

 

◇責任感をあらためてもつ

派遣社員であっても、与えられた仕事は責任をもって遂行するでしょう。しかし、派遣社員と直接雇用の正社員では、責任の重さが変わります。

派遣社員の雇用元は派遣会社のため、責任が重い仕事は回ってこないことが一般的です。派遣社員から正社員を目指す場合、会社の一役を担う社員として、あらためて責任感をもつことが大切です。

 

■まとめ

建設業は複数の企業や工事業者による重層的な下請関係のため、建設現場の業務で労働者の派遣は禁止されています。建設現場で施工に携わらない、事務員、施工管理、CADオペレーターのみは労働者派遣が可能です。派遣社員は残業が少ない、ワークライフバランスが整うといったメリットがある反面、雇用期間や福利厚生などの待遇面では正社員の方が優れています。派遣社員から正社員を目指す場合、地道に経験を積んで転職活動するか、紹介予定派遣や技術者派遣で働くことをおすすめします。

ただし、派遣社員と正社員は働き方だけでなく、仕事における責任の重さが変わります。自分自身がどのような働き方を求めているか、しっかり考えてから転職活動を行ないましょう。

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